2019年7月19日、田園都市線向け8500系電車東武線乗入非対応車の長津田8642Fが、廃車のため、所属している長津田検車区から長津田車両工場(東急テクノシステム長津田工場)まで自力回送した。
今回廃車されたのは以下の10両
1号車 | デハ8642 | 1987年8月19日新製(東急) |
2号車 | デハ0710 | 1987年8月19日新製(東急) |
3号車 | サハ8979 | 1987年8月19日新製(東急) |
4号車 | デハ0818 | 1991年3月26日新製(東急) |
5号車 | デハ0718 | 1991年3月26日新製(東急) |
6号車 | デハ0802 | 1986年9月4日新製(東急) |
7号車 | デハ8799 | 1986年9月4日新製(東急) |
8号車 | サハ8974 | 1986年9月4日新製(東急) |
9号車 | デハ0809 | 1987年8月19日新製(東急) |
10号車 | デハ8542 | 1987年8月19日新製(東急) |
補足情報
2020系電車導入に伴う田園都市線向け8500系電車の撤退は、予定全24編成中2編成目。
8642Fは田園都市・新玉川線の輸送力増強用として1987年度に19-1次車として製造され、東横線に配置された。この編成の落成に伴って、8607Fが東横線から田園都市・新玉川線へ転属していた。1990年度には8642Fも田園都市・新玉川線の輸送力増強用として転属することになり、新造中間車のデハ0818号とデハ0718号(21次車)が落成した。21次車の2両は9000系のラストナンバーとなった9015Fと同時に製造され、8000系シリーズで唯一、界磁チョッパ制御ではなくVVVFインバータ制御で新製された。田園都市・新玉川線転属に当たっては、当時8637Fに組み込まれていたVVVFインバータ化改造試験車のデハ0802号、デハ8799号、サハ8974号についても、VVVFインバータ制御車を同じ編成に組み込むため8642Fに組み込むこととなり、デハ0808号、デハ0711号、サハ8980号と交換が実施された(この3両は8637Fに組み込まれた)。これ以降、東急では2000系電車の導入に移行したため、8642Fは8500系のラストナンバー車となった。なお、VVVFインバータ制御への換装は正式採用には至らず、デハ0818+デハ0718とデハ0802+デハ8799(1989年12月15日付で改造)以外にVVVFインバータ制御化される車両は登場しなかった。
田園都市線は、2003年3月19日ダイヤ改正から、地下鉄半蔵門線を介して東武鉄道線との相互直通運転が開始されたが、この時に8500系電車で唯一のVVVF車組込編成であった8642Fは、機器の取り扱いが特殊になることから東武線対応が見送られ、これ以降は東武線に乗り入れない限定運用に、8500系初期車や8590系、2000系とともに使用されていた。今回、2020系電車導入によって8500系電車を完全に淘汰することとなったため、取り扱いが特殊で、かつ運用に制約のある8642Fは8500系の中でも早期に引退することとなった。
この編成は2019年7月19日の038-101(押上発 各停 長津田行)が最後の営業運転となった。
今後の掲載予定
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