2018年12月28日、南北線向け9000系電車A編成の王子第01編成(9101F)が、B修工事施工のため、所属している王子検車区から、新木場CR(メトロ車両工事事務所)まで自力回送・入場した。
今回入場したのは以下の6両
1号車 | CT1 | 9101 | 1991年7月5日新製(川重) |
2号車 | M1' | 9201 | 1991年7月5日新製(川重) |
3号車 | M2' | 9301 | 1991年7月5日新製(川重) |
4号車 | M1 | 9601 | 1991年7月23日新製(川重) |
5号車 | M2 | 9701 | 1991年7月23日新製(川重) |
6号車 | CT2 | 9801 | 1991年7月5日新製(川重) |
補足情報
南北線向け9000系電車のB修工事入場は、予定全8編成中8編成目。
今回のB修はA編成(試作車または1次車のみで構成)とB編成(先頭車が1次車、中間車が2次車)が対象となっているが、A編成3編成の工事が終わった後でB編成の工事が4編成続いており、試作車4両を含むこの編成は改造順で一番最後に回されることになった。
この編成は1~3・6号車の4両が1990年に製造された(但し入籍は1991年度)試作車であり、外装では路線識別帯の処理(前面と側面の帯が繋がっている)が異なっており、内装では手摺りへの塗装(後年追設されたスタンションポールを除く)を行うなどの相違点が見られた。1996年2月に南北線が開業当時の4両編成から6両編成に変更された時には、搭載している機器の都合から全編成に新造中間車を2両ずつ組み込むのではなく、試作車・1次車合わせて8編成在籍しているうちの偶数番号の編成の中間車を新造の4両に交換し、偶数番号編成の元中間車を奇数番号の編成に組み込む形が採られた。この時、試作車編成だった9101Fには、量産車(1次車)編成の9102Fから初代9202号・初代9302号を1996年3月18日付で9601号・9701号に改番し組み込んだ。このため、4・5号車は通常の1次車となっていた。また、制御装置については、9101F(三菱製の装置を搭載)と9102F(日立製の装置を搭載)でメーカーが異なっていたため、車両によって走行音が異なっていたのも特徴である(編成内で2社の制御装置が混在しているのは、この編成が唯一である)。
今回の入場と併せて機器更新工事も行われ、3号車車両は電装解除されることになる。現在はGTO素子のVVVFインバータを搭載しているが、フルSiC素子のVVVFインバータに交換されることになり、東京メトロ所属の営業用車両からGTO素子のVVVFインバータを搭載している車両は消滅することになる。また、東京メトロ所属の車両で唯一の装備であり、9000系電車の試作車と1次車だけの特徴であったボックスシートも、B修に伴いロングシートかフリースペースに変更されるため消滅することになる。このほか、試作車だけの特徴である塗装された手摺りや、セパレートタイプとなっている座席モケットの扱いも注目される。
追記
この記事はYahoo!ブログから移行したものです(作業日:2019/10/21、作業コード:4-4005-8070-4011-5)
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