2020年6月29日、田園都市線向け8500系電車東武線乗入対応車の長津田8614Fが、廃車・解体のため、所属している長津田検車区から長津田車両工場(東急テクノシステム長津田工場)まで自力回送した。
今回廃車されたのは以下の10両
1号車 | デハ8614 | 1975年9月26日新製(東急) |
2号車 | デハ8714 | 1975年9月26日新製(東急) |
3号車 | サハ8914 | 1976年7月9日新製(東急) |
4号車 | デハ8883 | 1984年9月29日新製(東急) |
5号車 | デハ8775 | 1984年9月29日新製(東急) |
6号車 | デハ8838 | 1980年3月5日新製(東急) |
7号車 | デハ8738 | 1977年11月4日新製(東急) |
8号車 | サハ8938 | 1980年3月5日新製(東急) |
9号車 | デハ8814 | 1975年9月26日新製(東急) |
10号車 | デハ8514 | 1975年9月26日新製(東急) |
補足情報
2020系電車導入に伴う田園都市線向け8500系電車の撤退は、予定全24編成中10編成目。
8614Fは、1975年度に田園都市線向けとして4両編成で導入された編成である。この時に7-1次車として新製されたのはデハ8614号・デハ8714号・デハ8814号・デハ8514号である。6次車ではサハ8900形を組み込んで落成したが、7-1次車からサハ8900形に搭載される改良型の静止型インバータ(SIV)の開発が間に合わなかったことから、代わりにデハ8800形が組み込まれた。7-2次車からは改良型のSIVを搭載したサハ8900形が登場し、田園都市線の5両編成化に合わせて7-1次車編成のうち8611F~8613Fにはサハ8900形が組み込まれたが、8614F~8616Fにはデハ8700形が組み込まれることになり、この編成はデハ8724号を組み込んだ。1976年度には東横線への貸出に伴って6両編成化が実施されて、8次車のサハ8914号を組み込んだが、その後田園都市線の運用へ復帰する際にデハ8724号を編成から外し(この車両は8618Fに組み込まれた)、5両編成に短縮された。
1977年度には正式に東横線に転属し、9-1次車として落成したデハ8738号を組み込んだ。1979年8月12日ダイヤ改正に合わせて田園都市・新玉川線へ転属することになった。この時、8両編成と6両編成が15編成ずつ用意されることになり、8601F~8615Fが8両編成、8616F~8630Fが6両編成(8631F以降は未製造)とされることになったが、営団地下鉄(現・東京メトロ)へ貸し出されている編成から8629Fが8両編成化されることになったため、この編成は6両編成のまま田園都市・新玉川線に転属した。ただし、その半年後には輸送力増強のため、11-1次車として新造されたデハ8838号・サハ8938号を組み込んで8両編成化が実施された。1984年には更なる輸送力増強が実施されることになり、16-1次車として新造されたデハ8883号・デハ8775号を組み込んだ。
2003年3月19日ダイヤ改正からは、営団半蔵門線の延伸に伴って、東武線との相互直通運転が開始されることになったが、運用上は全ての編成が東武線直通に対応している必要は無かったため、仕様が特殊な車両と、高経年で早期の廃車が見込まれる車両は改造対象から除外されることになり、この編成も8500系の若番編成として早期の廃車が見込まれたため東武線への直通対応工事の施工対象から除外された。しかし、東武線直通に対応した車両が不足していたことから、2004年度に追加で東武線直通対応改造工事が実施されたため、これ以降は東武線に直通する運用にも充当されるようになった。
2006年6月からは、伊豆急行所属の元東急8000系・8500系(1両のみ)と同じ車体装飾を施した「伊豆のなつ号」として運転されることになり、車体にハワイアンブルーの帯が巻かれた。伊豆のなつ号運転終了後も伊豆急行カラーのまま運転され、2012年度までは度々「伊豆のなつ号」や「早春の伊豆号」に指定されていた。
今後の掲載予定
今後の掲載予定は、サブブログ『新東京周辺鉄道車両速報ブログ管理委員会』に記載しております。