2020年5月11日、田園都市線向け8500系電車東武線乗入非対応車の長津田8606Fが、廃車・解体のため、所属している長津田検車区から長津田車両工場(東急テクノシステム長津田工場)まで自力回送した。
今回廃車されたのは以下の10両
1号車 | デハ8606 | 1975年3月28日新製(東急) |
2号車 | デハ8706 | 1975年3月28日新製(東急) |
3号車 | サハ8947 | 1982年1月26日新製(東急) |
4号車 | デハ8885 | 1985年4月4日新製(東急) |
5号車 | デハ8777 | 1985年4月4日新製(東急) |
6号車 | デハ8827 | 1979年8月12日新製(東急) |
7号車 | デハ8721 | 1976年3月8日新製(東急) |
8号車 | サハ8923 | 1979年8月12日新製(東急) |
9号車 | デハ8806 | 1976年3月23日新製(東急) |
10号車 | デハ8506 | 1975年3月28日新製(東急) |
補足情報
2020系電車導入に伴う田園都市線向け8500系電車の撤退は、予定全24編成中8編成目。
8606Fは、8000系シリーズの6次車として1975年に導入された、4両編成10本のうちの1本である。田園都市線用としてデハ8606・デハ8706・サハ8906・デハ8506の4両編成で落成した。1976年に、田園都市線の5両編成化に伴い、デハ8806を組み込んだ。1979年8月12日ダイヤ改正では、田園都市線と新玉川線の運行系統が再編されることになり、これに伴って旧・田園都市線(現・大井町線)所属だった8606Fは、田園都市・新玉川線(現・田園都市線)に転属した上で、新造されたデハ8827・サハ8923と、8051Fに組み込まれていたデハ8721を組み込んで8両編成化された。1982年に、サハ8906を新造のサハ8947と交換した(サハ8906とサハ8923で搭載しているSIVが違ったため。サハ8906は、同型のSIVを搭載しているサハ8901と同じ8601Fに組み込まれた)。1985年に、田園都市・新玉川線の輸送力増強用として新造されたデハ8885・デハ8777を組み込んで、現在の10両編成を組成した。
2003年3月19日ダイヤ改正では、営団(現・東京メトロ)半蔵門線が延伸開業し、東武線との相互直通運転が開始されることになったが、東急所属の車両については、当時は5000系の導入が進んでいた時期であったことから、既存の車両については必要最小限の数のみを東武線直通に対応させる方針となり、8500系は、5000系による早期の置き換えが想定される若番編成(8603F~8614F。8601F・8602Fは5000系によって置き換え済み。後に8613F・8614Fは追加で改造された)とVVVFインバータ制御の8642Fが改造対象から除外されることになった。これ以降、8606Fは東武線に直通しない列車に限定して充当されることになった。東武線乗り入れに対応していない若番編成は順次5000系に置き換えられたが、5000系の導入が途中で打ち切られた影響により、打ち切り時点で置き換えられていなかった8606Fは一転して継続使用されることになった。しかし、東武線乗り入れには最後まで対応しなかったほか、他の若番編成が廃車になったことにより、8500系で唯一の幕式方向幕装備・排障器未設置という特徴を有する編成となったが、2020系4次車の導入により、ついに撤退することになった。この編成の撤退により、東急田園都市線向けの車両(8500系・5000系・2020系)は全て東武線直通に対応した車両となり、運用上大きな制約のある車両がなくなった。
この編成は2020年3月25日の038-111(長津田発 各停 中央林間行)が最後の営業運転となった。
今後の掲載予定
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