2018年12月11日、田園都市線向け8590系電車の長津田8695Fが、廃車のため、所属している長津田検車区から長津田車両工場(東急テクノシステム長津田工場)まで自力回送した。
今回廃車されたのは以下の10両
1号車 | デハ8695 | 1989年2月17日新製(東急) |
2号車 | デハ8189 | 1985年11月15日新製(東急) |
3号車 | サハ8399 | 1985年11月10日新製(東急) |
4号車 | デハ8299 | 1985年2月9日新製(東急) |
5号車 | デハ8199 | 1985年2月9日新製(東急) |
6号車 | デハ8287 | 1985年11月10日新製(東急) |
7号車 | デハ8187 | 1985年11月10日新製(東急) |
8号車 | サハ8390 | 1985年11月15日新製(東急) |
9号車 | デハ8289 | 1985年11月15日新製(東急) |
10号車 | デハ8595 | 1989年2月17日新製(東急) |
補足情報
田園都市線向け8590系電車の撤退は、予定全2編成中1編成目。
東急8590系電車は、1988年度に全10両が製造された少数形式である。1980年度から1985年度にかけて製造され、当時8両編成10本が東横線に配置されていた8090系電車を5両編成に短縮して大井町線へ転用し、編成から外された30両を8590系電車に組み込んでいた。
8695Fは、8090系電車の8087Fと8089Fの中間車3両ずつを組み込んだ8両編成で東横線に配置された編成だった。1997年3月25日ダイヤ改正で東横線の運用数が削減されると、一時的に田園都市線へ転用されることになり、8694Fとともに1997年6月6日付で8両全てが転属した。しかし、東横線時代の8両編成から10両編成の田園都市線・新玉川線で運用するため8694Fにデハ8287号・デハ8187号を供出し、6両のみとなった8695Fは運用に投入されなかった。
2001年3月28日ダイヤ改正では、東横線の運用がさらに削減されたため8693Fが2001年3月22日付で田園都市線へ転用され、この編成からデハ8281号・デハ8181号・デハ8299号・デハ8199号を組み込むことで、8695Fは10両編成を組成して、田園都市線の営業運転に投入された。その後、2004年2月1日の横浜高速鉄道みなとみらい線開業と、東横線との相互直通運転開始までに東横線へ復帰することになり、2003年3月19日ダイヤ改正に先立って5000系電車の導入によって田園都市線からは撤退し、8693F・8694F・8695Fの間で編成組み換えを実施し、元の組成に戻って東横線へ復帰した。この編成は2003年2月27日付で東横線へ転属している。
しかし東横線での運用は短く、大井町線の8000系電車置き換えのため8691F・8692F・8693Fが8両編成から5両編成へ短縮して東横線から大井町線へ転出することになった時に発生した9両の余剰車を活用するため、残る2本の8590系電車は10両編成化して田園都市線へ転用されることになり、この編成は8693Fから余剰となったデハ8299号・デハ8199号を組み込んで、2006年9月7日付で再び田園都市線の所属になった。この編成は、田園都市線再配置以降、約12年3ヶ月間運用されたが、田園都市線転属に際して東武鉄道線への直通運転対応が準備工事に留められていたため、東武線に直通しない運用のみに限定して投入されていた。
この編成は2018年12月11日の008-101(押上発 各停 中央林間行/長津田駅で車両交換)が最後の営業運転となった。この列車は中央林間駅到着後の折り返しが東武線直通の久喜行であることや、長津田車両工場への入場回送実施の関係で、長津田駅で後続の043-101(押上発 各停 長津田行)に充当されていた田園都市線向け5000系電車の長津田5103Fと車両交換が実施され、営業運転を終了した。
この編成の今後の動向が注目される。
今後の掲載予定
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