2018年3月9日、武蔵野線向け205系5000番台の千ケヨM15編成が、廃車・海外譲渡のため、所属している京葉車両センター(新習志野駅)から総合車両製作所新津事業所(新津駅)まで配給された。牽引はEF64-1032。
今回廃車されたのは以下の8両
1号車 | クハ205-29 | 1986年2月3日新製(東急) |
2号車 | モハ205-5029 | 1986年2月3日新製(東急) |
3号車 | モハ204-5029 | 1986年2月3日新製(東急) |
4号車 | サハ205-208 | 1990年6月14日新製(川重) |
5号車 | サハ205-153 | 1989年6月26日新製(川重) |
6号車 | モハ205-5030 | 1986年2月3日新製(東急) |
7号車 | モハ204-5030 | 1986年2月3日新製(東急) |
8号車 | クハ204-29 | 1986年2月3日新製(東急) |
補足情報
武蔵野線向け205系0・5000番台の撤退は、予定全42編成中2編成目。
今回廃車となった千ケヨM15編成は、8両いずれも、中央・総武線と山手線へのE231系電車導入に伴う205系電車の転配計画では武蔵野線へ配置される予定ではなかった車両で構成されているという特徴を持っており、4号車と5号車のサハが連番でないのは、36編成の205系5000番台の中では、この編成だけだった。1~3号車、6~8号車は、元東ヤテ29編成から南武線(中原電車区)へ横ナハ45編成として配置された車両であった。4号車のサハ205-208は、宮ハエ16編成から、先頭車化改造を受けて鶴見線(中原電車区)へクハ205-1110として配置され、南武支線向け205系1000番台と併結することで、鶴見線向け205系1100番台の代わりに鶴見線で運用し、鶴見線と南武支線の予備車を共通化させるための車両として使用される予定だった。5号車のサハ205-153は、宮ハエ4編成から抜かれた後、転用先の無い7両のサハ205形(残りの6両は45号、60号、146号~149号)のうちの1両となるはずだった。
ところが、2004年10月16日のダイヤ改正で、埼京・川越線のJR持ち運用が増加することになり、205系電車10両編成1本を急遽、追加で配置する必要があり、武蔵野線へ配置されるはずであった元東トウ54編成のうち10両(但し東京所属時代は営業運転で使用されず)が2004年6月9日付で川越車両センターに配置されたため、武蔵野線で必要な205系電車が10両不足することになった。このダイヤ改正では、東京臨海高速鉄道から70-000形電車6両が、6両編成から10両編成へ組み換えられる過程で余剰となることから、JR東日本が余剰車を購入して2004年12月16日付で209系3100番台に編入し、新造車2両と合わせて4両編成2本を組成して八高・川越線(川越車両センター)に配置した。これにより、同線に205系3000番台として配置されるはずだった8両(サハ4両・モハ4両)を武蔵野線向けに変更し、元東トウ54編成のうち8両で組成されるはずだった千ケヨM15編成として京葉車両センターに配置することになり、なお不足するモハ2両については、転用先の無いサハから2両を武蔵野線へ転用し、5000番台化せずに0番台のまま運用されるはずだった千ケヨM61編成のモハを5000番台へ改造することで必要数を確保することになった。
しかし、この計画では、ほぼすべての編成が製造当初から先頭車だった車両を組み込む中で、1編成だけ取り扱いが異なる先頭車化改造車の配置となってしまうため、現場の混乱を避けるため、製造当初から先頭車だった車両と先頭車化改造車が混在する南武線(中原電車区)に6両編成として配置し、南武線に配置されていた、製造当初から先頭車だった車両を含む6両を武蔵野線へ転用することになった。改造工期の都合で、宮ハエ86編成になるはずだった車両と宮ハエ87編成になるはずだったモハが南武線向け205系1200番台の横ナハ51編成となり、宮ハエ87編成の先頭車になるはずだったサハは先頭車化改造を取りやめてサハのまま千ケヨM61編成改め千ケヨM35編成に組み込んだため、千ケヨM15編成に組み込まれる車両は、埼京・川越線の余剰サハとなった。この時に、鶴見線と南武支線の予備車を共通化する計画が消滅したためクハ205-1110への改造が取りやめとなり、川越車両センター所属の保留車となったサハ205-208と、転用先が無かった7両の付随車の中からサハ205-153が選ばれてこの編成に組み込まれることになり、改造の出場順としては30番目でありながら、205系5000番台の第15編成となる千ケヨM15編成を2005年6月30日付で組成した。モハ車両のうち、モハ205/204-5029号の種車はモハ205/204-85号で、モハ205/204-5030号の種車はモハ205/204-87号である。2005年6月30日に改造されてから、武蔵野線では約12年9ヶ月間使用された。
この編成は2018年2月28日の743E(府中本町発 各駅停車 新習志野行)が最後の営業運転となった。
今後は、インドネシアのPT.Kereta Commuter Indonesiaへ譲渡される。武蔵野線からは9~16両目となり、JR東日本205系電車としては通算485~492両目(埼京・川越線180両、横浜線176両、南武線120両、武蔵野線16両)となる。1号車車両のクハ205-29号については、元横クラH28編成の5号車だったサハ205-29号(山手線→京葉線→横浜線)と番号重複が発生する。4号車車両のサハ205-208号については、元横クラH14編成の4号車だったモハ205-208号(横浜線)と番号重複が発生する。8号車車両のクハ204-29号については、元宮ハエ14編成の2号車だったサハ204-29号(山手線→埼京・川越線)と番号重複が発生する。これは、インドネシアでは、クハ、モハ、サハといった日本語表記を除去するためである。
【廃車車両の車歴】
1~3・6~8号車:山手→中原(2003-07-24)→京葉(2005-06-30)
4・5号車:川越→京葉(2005-06-30)
追記
この記事はYahoo!ブログから移行したものです(作業日:2019/09/04、作業コード:5-2535-7010-1040-5)今後の掲載予定
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